
コーポレートメッセージ
私たちは、母子・家族のケアを社会のインフラに変えるために意を一にしました。妊娠前から産後、育児、そして親のフレイル期に至るまで、家族が抱える不安は個人の問題に留めておくには大きすぎます。医療&ケア・企業・自治体・地域が連携し、OS(仕組み)として支えることで、初めて「安心して人生を紡げる社会」が実現します。
株式会社未来は、そのための設計者であり実装者であり共創者でありたいと考えます。現場の知見を起点に、全国のホテル・旅館や医療機関をケアハブへと転換する支援、プレケアリテラシーを育む教育と制度設計、そして企業や自治体とともに実証し全国へ広げる共創プロジェクトを同時に進めます。私たちの判断基準は常に、共創・データドリブン・実装力・包摂性・持続性です。
10年後、ケアは「個人の負担」ではなく「社会の資産」として循環しているでしょう。レスパイトや短・中期ケア滞在、早期相談窓口、プレケア教育に加え親のフレイル期に備えた予防ケアや中間支援が当たり前になり、母子ケア不全、育児孤立、育児離職に加えて介護負担や介護離職も大幅に減少するでしょう。地域にはケア拠点と雇用が生まれ、暮らしと経済が再生する。私たちはその未来を、現場での小さな成功を積み重ねて設計し、標準化していきます。
今、必要なのは行動です。個人の相談、ホテル・旅館や医療機関のハブ化、自治体との実証、企業の制度導入――どの入口からでも構いません。私たちは伴走し、仕組みをつくり、社会に定着させていきます。ともに、家族の未来を、社会の未来に変えましょう。
株式会社未来
政策提案 「産後1ヶ月休息制度」 の創設について
はじめに|日本の産後には制度的空白が存在する
日本の公的支援は「妊娠・出産」をもって一区切りとされ、退院後の産後期に対する制度的支援は十分に整備されていない。 しかし、産後は母子の健康と家族機能の再構築にとって極めて重要な時期であり、国際的には「産後1ヶ月の休息」が文化として定着している国も多い。
産後の回復を支える制度が存在しないことは、母子の健康、家族の安定、地域格差、企業の人材確保など、多方面に影響を及ぼしている。この制度的空白を埋め、日本社会に「産後の休息」を文化として根付かせることは、国の責務である。
本提言は、産後の回復を社会インフラとして位置づけ、母子とその家族が安心して生活を再構築できる制度の創設を求めるものである。
1|制度創設の目的
1.母子とその家族が安心して回復できる社会インフラの整備
2.産後うつ・育児不安・家族機能低下の予防
3.産後ケアの地域格差の是正
4.「産後の休息」を日本の新しい文化として育てること
5.産後の離職防止・円滑な復職支援を通じた企業の健康経営の推進
産後の回復を「個人の努力」ではなく「社会の基盤」として位置づけることが、少子化対策・女性の就労支援・家族政策の観点から不可欠である。
2|利用開始時期:退院後から制度利用を可能とする
- 入院中(産後直後)は医療領域であるため制度対象外とする。
- 退院日を制度利用の起点とし、母子が医療から生活へ移行するタイミングを確実に支援する。
3|利用可能期間:退院後〜産後12ヶ月(1年以内)
産後1年以内には、以下の課題が高頻度で発生する。
- 産後うつの兆候
- 育児疲労
- 授乳・乳房トラブル
- 赤ちゃんの睡眠課題
- 家族の役割再構築
- パートナーの育児参加の遅れ
- 上の子のケア負担
これらは母子の健康だけでなく、家族の生活基盤に深刻な影響を及ぼす。したがって、産後直後に限定せず、産後12ヶ月まで柔軟に利用できる制度設計が必要である。
4|利用対象者:母子とその家族
- 産婦(母)
- 赤ちゃん(新生児〜乳児)
- 配偶者・パートナー
- 上の子
- 必要に応じて家族以外のサポート者
協会の理念である「母子とその家族」を制度として明確化し、家族全体の回復を支援する。
5|利用可能日数:合計30日(=1ヶ月)
- 連続利用(30日)
- 分割利用(例:10日×3回)
- 週末利用など
家族の生活状況に応じて柔軟に設計できる制度とし、利用者の実態に即した運用を可能とする。
6|利用場所:地域格差をなくす複数モデル
- 宿泊型・日帰り型 (認定ホテル・旅館)
- 訪問型 (認定助産師による訪問ケア)
地域の資源に応じた複数モデルを制度化し、都市部・地方部の格差を解消する。
7|提供内容:休息・専門ケア・家族支援を統合
休息(Rest)
- 宿泊・滞在
- 産後食の提供
- 睡眠確保
- 上の子のケア
- 家族の休息スペース
専門ケア(Care)
- 助産師による産後ケア
- 授乳・乳房ケア
- 産後の身体チェック
- 赤ちゃんのケア
- 産後うつの早期発見
- 看護師・保健師・心理士による相談
家族支援(Family Support)
- パートナーの育児トレーニング
- 家族の役割再構築支援
- 育児のスタートラインづくり
- 産後の家族会議(助産師ファシリテーション)
生活支援(Life Support)
- 家事支援
- 洗濯・掃除
- 上の子の送迎
- 食事の準備
- 産後の生活設計相談
学び(Education)
- 赤ちゃんの睡眠
- 授乳・ミルク
- 産後の身体
- パートナーの関わり方
- 産後の危険サイン
- 家族のコミュニケーション
8|費用・補助:国・自治体・企業の三層構造
国の補助
- 出産育児一時金と同額(50万円)を産後ケア費用として補助
(産後ケアを「出産の一体的支援」として位置づける)
自治体補助
- 既存の産後ケア事業を統合し、地域格差を縮小
(地域資源に応じた柔軟なモデルを採用)
企業補助
- 健康経営の一環として制度化
- 産後の離職防止・復職支援に直結
(女性活躍推進・人材確保に資する)
9|利用の仕組み:退院後の生活に寄り添う運用
利用申請
- 妊娠期に事前登録
- 退院後にオンライン申請
- 医療機関・自治体・企業からの申請・紹介
利用の流れ
- 初回アセスメント(助産師)
- 利用計画の作成
- 宿泊・ケア・相談の実施
- 終了後のフォローアップ
安全管理
- 助産師常駐
- 医療機関との連携
- 緊急時の搬送体制
- 感染症対策
まとめ|産後の休息を制度として、文化として、日本に根付かせる
産後1ヶ月休息制度は、母子とその家族の未来を守るための新しい社会インフラである。退院後〜産後12ヶ月の間に、誰もが安心して休息とケアを受けられる社会を実現することは、国の持続的発展に不可欠である。
本制度の創設により、母子の健康、家族の安定、地域格差の是正、企業の人材確保、そして日本社会の未来を支える確かな基盤を築くことができる。
